QRコード
QRCODE
お知らせ
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 2人
プロフィール
ジェントルマン
ジェントルマン

首尾一貫感覚

2012年06月05日

 ジェントルマン at 09:08 | Comments(0) | 納富貴院長の窓
首尾一貫感覚(Sense of Coherence: SOC)

首尾一貫感覚(Sense of Coherence: SOC)とは、ユダヤ系アメリカ人のアントノフスキーが、ストレス対処に長けた人における生活や人生に対する見方や向き合い方の特徴を概念化したものです。第二次世界大戦中に多くのユダヤ人が強制収容所で過酷な生活を余儀なくされましたが、その中でも精神的な健康を保ち続けることができた一群から抽出された、「生きる」上で強さを持てる考え方の特徴を示しています。もともとの性格もあるでしょうが、経験によっても育まれるもので、見方によっては、ヒトの成熟の指標ともなりえる考え方です。

近年、高齢化、少子化、核家族化が進みました。それに伴い、家庭環境崩壊が一部では顕著にみられます。この現象は大きな枠で見て、グローバル拝金資本主義経済的政治誘導、自治放棄の経済主義、学歴(知識)主義的社会構造、といった環境因子からも生じてきたといっていいでしょう。この社会構造ではヒトは成熟に抑制がかかります。それが悪いと言っているのではありません。しかし、ある一定の割合の成熟したヒトがいない社会は崩壊へ向かう可能性が高いけれども、今の日本はその危険水域まで達してきていると思われることに、気¥個人的に危機感をつのらせているのです。といえばかっこいいですが、自分自身へ降りかかる「さまざまな問題」に自分が対応するときの自分の態度を模索しているだけです。問題は自分だけでは生じないのも当たり前です。であるので、「相手」を分析する上での知識の一つとしても利用しています。

子供は、ストレスに弱いものです。ある問題を処理できない場合、1、感情的にパニックに陥る、ないし、シャットダウンする。2、問題解決にあたり、社会的に周囲に迷惑をかけそれを自覚できない。3、自分自身に対し不要な不安をあおり、将来を悲観し、生きがいを見出せない。というパターンにすぐに陥り、なかなか這い上がれません。問題の処理も近視的でその場限りの処置をします。

では、どのようなヒトが、そうでないSOCが高い人で、どのようにそれを身に付ければいいのでしょうか?下記します。

1) 把握可能感を高める
把握可能感とは自分の置かれている、あるいはおかれるであろう状況をある程度予測でき、また理解できる感覚のこと。自分を客観視できる能力のこと。空気を読める能力、共感能力、周囲や将来を見通せる能力のこと。これは「直面した困難な状況を、秩序だった明確な情報として受け止められる感覚」といえます。この能力を育むためには辛い状況を理解したうえで、目をそらせることなく、先々を見通すよう努力し続けなければいけないのです。
この感覚を培うには、家族内での生活習慣が大切になります。永続感と家庭内習慣形成です。これは小児科のBoyceが提唱しています。子供のころから、朝起きて「おはよう」ということ、家族がそろって食事をし、食事前には「いただきます」ということ、寝る前に歯磨きをして、トイレに行って、「おやすみなさい」ということを、日々。普通に繰り返すことが大事なのです。これにより、世の中の出来事は安定して続くものだと見なせる感覚=永続感が強まるのです。
他人を真似することも重要です。真似する神経であるミラーニューロンはサルがアイスクリームを食べる人を見たときに活動した脳内電位の動きから発見されたものです。他人が何かを食べること!!を見ることから、食べる=最低限は生きることが可能になり、それは共感能力や、空気を読む力を育み、自己を客観視できるようになります。最終的には社会性を高めるのです。家族で食卓を囲むというのがどれだけ大事か!!ここでも示されます。

2) 処理可能能力を高める
処理可能能力とは「何とかなるさ」「どうにでもなるんじゃないかな?」という感覚のことです。「やればできる」と思える感覚です。成功体験の積み重ねが重要な因子といわれています。成功をおさめた時に状況を正確に分析し、「この成功には自分はどれだけ寄与している」という分析も大事です。自己を卑下する性格者では成功体験も負の要素を持つことがあります。成功したのに「たまたまそうなっただけ」と自己評価を下げたり、「~~の助けがあったからできたのであって、自分だけでは絶対にできない」と認識するとせっかくの成功体験の有用性も薄らぎます。ただし、全ての結果が自分の努力の賜物であるという認識より、奥ゆかしい認識の方が多少はましな結果が得られるでしょうが…。
また、処理可能能力とは生活の中で立ち向かってくるストレッサ―に向かって、ありとあらゆるものを動員し、利用し、周囲の協力を仰ぎ、それらを有効に活用しうまく対処する自信を持っていることも指します。内田樹氏はブリコラージュと表現します。これは、自立という言葉で置き換えられます。自立している人とは決して一人で何でもこなす人を指しているのではなく、ありとあらゆる周囲の人や環境や財力や知的財産や遺伝的優位性や社会的ポジションなどを有効活用し、それらの力を自分のために引き出せる能力と人間力をもつ人のことです。そう考えると成熟しないと自立できるものではないですね。処理可能能力とは、そのうえで、先を見越し、「気軽に」「明るい」将来を展望できる感覚を指します。

3) 有意味感をもつ
有意味感とは、ストレッサ―への対処のしがいも含め、毎日に生きがいや、仕事にやりがいを感じられる能力のことです。どんなに辛いことにあたっても、何らかの意味を見出し、突破する気概をもつ感覚ともいえます。
これを育むには、与えられた課題や仕事で、「自分には無関係だ」「自分の領域ではない」「無意味な仕事だ」と思えるようなものでも、「将来、何かしら役に立つ」と思って、積極的にこなしていくという努力が要されると考えられています。もちろん、その努力には、時間的、能力的限界が、個々人によって違ってくるでしょう。
一言で言って「修行」ですね。流れに乗りながら、自分に振られた課題には、流れの中の一時期において最大限に努力するということでしょうか?実際、実行するのは、難しいと思います。
そのためか、この有意味感は上の2つの感覚より重要とみなされています。つまり、有意味感を持ってさえいれば、把握可能感や処理可能感は後からついてくると言われています。

 生きてしまったということは死へ向かい始めたということです。それは「生老病死」と表現されます。そこに「楽」はありません。「生きる」とは、苦しむことです。四苦八苦が生きることです。さまざまな困難に苦しみながら生きていくしかないのです。しかし、その困難に立ち向かうことが上手な人、下手な人がいます。どうせ、生きなきゃいけないなら、上手な人がどのような思考回路で、問題に当たり、どのようにすればそのポジティブシンキングへとたどり着けるのか?を知っておいて損はないでしょう!!

いつものように、このまとめは、自分自身へ言い聞かせるために書き上げたものです。


同じカテゴリー(納富貴院長の窓)の記事画像
格差について
同じカテゴリー(納富貴院長の窓)の記事
 格差について (2022-02-10 10:00)
 「正常バイアス」 (2021-05-06 10:21)
 「欲しい」 (2020-01-17 14:30)
 納富貴院長の窓3 (2011-10-10 09:06)
 納富貴院長の窓1 (2011-10-04 11:46)
 納富貴院長の窓2 (2011-09-28 09:38)

※会員のみコメントを受け付けております、ログインが必要です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。