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「正常バイアス」

2021年05月06日

 ジェントルマン at 10:21 | 納富貴院長の窓 | 誠晴會だより
内田先生が考える対コロナ時代の心構え=正常バイアスのアティチュード   

納富 貴嗣


「内田樹を読もう会」という床屋でおじちゃんがする会話の延長みたいな勉強会(がものすごく発展しちゃった、、、)を続けていましたが、このコロナ騒動で、開催する勇気をそがれています。自分自身とすれば、「定期的な継続」が理想的なのですが、「もしも」のことがあれば、「なにが」そのあと起こるかわからない。しかも、おそらく悪いこと、、
しかし、内田樹先生のこの文章に触れて、そんな弱気な考えに対し、再考を迫られちゃったな~と感じました。
内田先生から「納富君??正常バイアスを解除しないといけないんじゃない?」と戒めてくださったと感じた次第です。
以下、時間がある方はお読みください。

コロナウイルスの感染拡大でも、「自分は感染しない。感染しても軽症で済む。他人に感染させることはない」というふうに考える正常性バイアスが働く。必ず働く。だが、非常時というのは正常性バイアスがもたらすリスクが劇的に高まる事態のことなのである。だから、どこかで平時から非常時にコードを切り替えて、正常性バイアスを解除しなければならない。

 問題は「正常性バイアスを解除する」というのがどういうふるまいのことか、よくわかっていないということである。
 それを「いたずらに恐怖する」「過剰に不安になる」というふうに解釈すると、正常性バイアスの解除は困難になる。いかにも「恰好悪い」し、どう考えても「生きる力を高める」ふるまいではないように思えるからである。恐怖や不安に取り憑かれて浮足立っている人間と、非常時にもふだん通りに落ち着いている人間のどちらが「危機的状況を生き延びられるか?」と考えたら、誰でも後者だと思う。

『史上最大の作戦』では、ノルマンディー上陸作戦で最悪の戦場となったオマハビーチで、ドイツ軍の機関銃掃射を受けながら葉巻をくわえて海岸を歩くノーマン・コータ准将の姿が活写されている。彼の落ち着いた適切な指示によって連合軍兵士は防御線の突破に成功するわけだが、彼はどう見ても恐怖心に取り憑かれているようには見えない。だが、彼は「正常性バイアス」に固着していたからそうしたわけではない。歴戦の軍人としてちゃんと「非常時」へのスイッチ切り替えを行っているのである。それは「自分が見ているものだけに基づいて状況を判断しない」という節度を持つことである。

 正常性バイアスの解除とはいたずらに怖がることではなく、自分が見ているものだけから今何が起きているかを判断しない。自分が現認したものの客観性・一般性を過大評価せず、複数の視点から寄せられる情報を総合して、今起きていることを立体視することである。

以下省略(大事だけど、、)  

 2020年11月4日 内田樹の研究室より



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